・゚・。・゚゚・*:.文緒と正巳の双恋日記・゚・。・゚゚・*:.

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東京魔人学園外法帖 『戦いの幕が』

PS2ゲーム『東京魔人学園 外法帖(血風)』に関する二次小説です。

京梧→緋勇龍斗→←風祭で、
性描写などはない一般向けです。

富士に登っているときの雪山イベントのときの話ですね(`・∀・´)
長めです。お暇なときにどうぞv






『戦いの幕が』


 鬼道衆と龍泉組が協力することになり、富士にあるという崑崙山を目指してまもなくのこと。
 最終戦に備えて能力の底上げをすることに決まり、
 龍泉組・鬼道衆から合わせて十名で崑崙山に潜ることになった。

 三十階ほど降った頃だろうか。敵の勢力はますます強くなり、数も徐々に増えてきた。
 
 次に降りた階で待ち構えていたのは、巨大な鳥のような化け物であった。
 背丈は人の二倍ほどあり、その羽根を広げれば悠にこちらの視界を遮ってしまうだろう。

(これは骨が折れそうだな……)

 やれやれと緋勇龍斗が辺りを見回せば、六尺も離れない所に小柄な男の背が見えた。
 風祭澳継だ。
 
 風祭の目の前には巨大な怪鳥。
 仲間の内でも小柄な風祭には山のように見えていることだろう。

(一対一か……。四霊を使えばそう苦戦することもないだろう。だが……)

 他の仲間たちの広がり方を見てから、龍斗は風祭に加勢することに決めた。 
 
 風祭は身のこなしがとても素早いが、それは身の軽さからくるもの。
 逆に言えばその一撃はくらっても軽く、致命的な決定打が欠けるともいえる。
 
 相手によっては一対一の戦闘を任せることに不安があった。
 
 素早くその小柄な背に向かって走っている間に風祭の身がふわりと浮いた。
 見えない気に吹き飛ばされたように見えたが、
 怪鳥が羽根を広げ羽ばたいているところをみると、
 恐らくその風圧に飛ばされたのだろう。
 
 そして龍斗の不安は的中した。
 ふわりと宙に浮いた風祭が、受身も取れずに龍斗の腕の中に飛んできたのだ。


 風祭は夢中で手足をばたつかせ、やがてはたと気がついて上を見上げた。
 
(ただの馬鹿でかい鳥じゃねェか。こんなやつ俺一人で余裕だぜ)
 
 勇んでその懐に飛び込んでいったものの、
 足元がもたついて思わぬ反撃をくらってしまった。
 怪鳥がばさりと羽根を広げ、とてつもない暴風を巻き起こしたのだ。
 
 避ける間もなく風祭はその風を正面から受け、
 背の方へなぎ倒されそうになった。
 
 足の指で土を掴み踏ん張ったものの、今度はその足を救われ、
 あっという間もなく宙に浮く。
 
(ちくしょう! 俺が鉛みたいに重ければ、こんな、風なんて――)
 
 このままでは頭と背ををしこたま打ちつけるだろう。
 
 衝撃を覚悟して、強く目を瞑った風祭だったが……。
 見上げたところに思わぬモノがあったので、風祭は飛び出さんばかりに目を剥いた。
 
 龍斗はどっしりと身を構え、その先の怪鳥を見つめていた。
 
「た……たんたん!? なんでお前がここに――」
「構えろ澳継!!」

 龍斗の声より速く、再び激しい暴風が風祭の身を襲った。
 しかし今度は風祭の体はピクリともしなかった。
 
 何故だかなんて、風祭自身分かりきっていた。
 その身を、その腕を、背後からがっしりとした龍斗の腕が掴んでいたからだ。
 
 その両腕の中で身を丸めるようにして暴風をやり過ごしてから、
 急に風祭は恥ずかしくなって身を離した。
 
 全身が、熱い。
 どこだか分からないが怪我をしたのかもしれない。
 
 目の前が見えなくなるくらい、頭に血が昇っていた。 
 
「こいつ……ぶっ殺してやる!!」 
 
 怪鳥まで距離はあったが、なんとかなった。
 素早く駆け寄り責め続け、次の攻撃を食らう前に怪鳥を消しさった。
 
「ふん……口ほどにもねェぜ!」 
 
 完全な勝利、と浸っていた風祭だが、背後から
 「澳継。この鳥は何も言ってないぞ」
 と、間の抜けた声が聞こえて、眉を顰めた。
 
(すっかり忘れてた。そうだ、こいつがいたんだ)
 
 存在を思い出した途端、掴まれた腕の感触までありありと思い出されてきて、
先ほど握られた二の腕の辺りを無意識に手のひらで擦りつけた。
 
(こんどはこいつの番だ!)
  
 再びかっとなり、振り向いて睨みつけるが、もうその場所には龍斗はいない。
 
 どこに行ったと方々を目で巡らせると、
 離れたところで基督女の手助けをしていた。
 
 風祭は熱を向ける対象がいなくなったことで何をしたらいいか分からず、結局、
 この対局が終わるまでぼんやりと龍斗を眺めて過ごした。
 
 
 やがて宵の時間になり、皆が適宜眠りに就こうとしていた。
 
 眠るといってもここは富士の道中。
 広くはない洞窟の中での雑魚寝であった。
 
 毎晩誰かが交代で火の晩に付くのが決まりで、
 今夜は龍斗が薪を傍らに置いて番につくことになった。
 

 夜も更け、尿意を覚えた風祭は洞窟の入り口を目指して起きだしていた。

 壁を這うようにして入り口に近づくと、閉じかけた目蓋にやさしく暖かみが感じられた。
 ゆっくり目蓋を持ち上げてその熱を確かめると、
 それはこの闇の中での唯一の光――炎の温かさだった。
 
 火の前には当番の龍斗がいた。
 腰から下に羽織をかけ、身じろぎもせずに俯いている。
 
 静かだった。
 てらてらと火明りがきらめき、
 狭い洞窟にゆらゆらと龍斗の影が音もなく這い回っていた。  
 
 風祭はそっと近づく。
 真直ぐに火に向き合っている龍斗の表情は
 前髪で隠れて暗く窺い知ることができない。
 
 影だけが奇妙に這い踊っている。
 
 そこにいるのは龍斗ではない、得体の知れない不気味な生き物に思えた。
 
 近づいて、鳥肌を立てた。
 
 よく見れば龍斗の髪は近すぎる火であぶられ、先が溶け出している。 
 
 一心不乱に火を見つめている龍斗にはそれが見えていないのか、
 眠っているのか、まったく動じていない。
 
 毛先から髪の毛一本全てを燃やしてさらにその隣の毛へ飛び火し、
 さらにその隣の毛へ飛び火しさらにさらにさらに――
 
「パチン」
 
(――ッ!!)
 
 薪のはじける音に風祭は正気を取り戻した。

「龍斗ッ!!」
 
 自分でも驚くくらい必死に龍斗の名を叫んだ。
 すぐ駆け寄って、その顔を手のひらで挟み覗き込む。
 蟻のように固まった前髪を掻き払えば、くりっとした二つの眼が風祭を捉えた。

「た…たんたん…」

 そこにはいつもと変わらない、滑らかな肌をした男の顔が在った。
 
 髪も瞳の色も火明りで赤っぽく見えるが、いつも通りだ。
 半開きになった唇も、そこから闇に浮かぶ舌も、いつも通り。
 頬を挟まれ間抜けな顔をした平常の龍斗だった。
 
「は……。なんだよ、俺はてっきり……」
「へっきり、なんだよ」
 
 頬をへこまされて言いにくそうに、龍斗が答えた。
 答えて漸く、風祭は近すぎるこの距離に動転して思わず転び、腰を打ってしまった。 
 
「澳継、今日は転んでばっかりだな。大丈夫か?」
 
 火の上でなくて良かったと続けて、
 助け起こそうとする龍斗の手を思い切り振り払って風祭は飛び上がった。
 
「そうだ、忘れるところだったぜ!てめぇ、たんたん! 昼間はなんで俺を助けやがった!」   
「『やがった』と、言われても」
「お前なんか来なくても、俺一人で充分倒せたんだよ! あんな弱ェやつ!
  それをちょっと助けただけで聖人気取りやがって!」
「お、難しい言葉知ってるね。成長したな」
「おちょくってんじゃねェッ――!」

 風祭は烈火のごとく火を噴いた。
 しかし途中で口をつぐんだ。
 ひんやりと冷たいものが口に当てられて動揺したのだ。
 
 それはほの白い、龍斗の手であった。
 風祭の口に被さって、言葉を封じている。
 
「ふがー!!」
 
 それに余計に腹が立ち四肢を振り回し暴れまわると、ぴしゃりと叱りつけるように龍斗が言う。
 
「静かに。みんなが起きるだろう」
 
 唇に触れている指よりも冷ややかな声だった。
 
 いつもならここで掴み合いの喧嘩になっているところだが、
先ほどの得体の知れない龍斗が思い出され、熱は一瞬で消沈してしまった。
 
 沈む風祭の視線の先に、影が揺らめいた。
 入り口から吹き込む冷気が二人の頬をなぶっていた。
 
 先に身を離したのは龍斗であった。
 首を鳴らしながら火の前へ戻って行く。
 
「小用でもあまり離れるなよ。この雪じゃ探しに行っても見つからない」
 
 先ほど座していた箇所に再び座り込み、火の具合を確かめつつ声をかけた。
 だが風祭はこれに答えなかった。
 
 龍斗が頭をもたげて見遣ると、そこにはもう風祭の影もなかった。
 
 洞窟の中に戻ったのか、外へ出たのか、つかめない。
 外へ出たのだとしたら、戻ってくるのを確認しなければならない。
 
 勢いの衰えない吹雪を一瞥して、ひとつ息をついた。
 そこでふと、洞窟の置くから誰かが近づいてくる気配がした。
 
 やがてひょっこりと顔を覗かせたのは京梧だった。
 
 京梧は目を掻いて眠たそうに歩いて来、龍斗のすぐ横に何も言わずに腰を置いた。
 
 龍斗には気の置けない友である。
 先の風祭とのやりとりが漏れていたとしたら、終わるのを待って出てきたのかもしれない。
 
 横に二人で並んだまま何とはなしに火を見つめていると、京梧が口を開いた。

「どうしたんだよ」
「どうしたって、何が?」
 
 火を見つめたまま、答えた。

「ひーちゃん、あそこ潜ってからずっとぼーっとしてるぜ」
「……そうかな」
「俺に隠し事はなしだぜ。話してみろよ」
 
 何があると決まってもいないのに身を乗りだして相談に乗るという友人が愛おしく、
龍斗はゆっくりと微笑んで答えた。
 
 それに気を良くしたのか京梧は殊更身を寄せて、
 まるで悪巧みでもするかのような顔で話を促す。
 
 龍斗はしばし顔をもたげ、辺りを巡らしてから京梧の顔を見つめた。
 
 そして、風に飛ばされるような小さな声で話し出した。
 
 
 柳生の力によって明けることのない晩に、習慣としての明けが来た。
 
 眠りの縁からするりと抜け出した龍斗が頬に当たる髪を払うと、指が何かに当たった。
 
 見ればそれは京梧の頭で、昨晩は話し込んでそのままいつの間にか寝てしまったようだ。
 
 いつもならばそんなことはないのに、と慌てて身を起こそうとして思いとどまる。
 京梧がこちらに体重を乗せているので、どうしても京梧を起こすことになりそうだったのだ。
 
 火はとうに消えていた。
 
 夜とさして変わらない明るさに、ぼんやりと京梧の素足が浮かんでいる。
 こんなに寒いのに脛の部分が丸出しだった。
 
 とても見ていられなくて、龍斗は自分の腰にかけていた上掛けを
 京梧の足の上へとうまく投げかけた。
 
 地べたに腰掛けているので余計に寒い。
 吹雪はやんだようだが、幾晩と日の差すことのない日が続いたせいなのか
 昨晩と同じくらい寒い。
 
 膝の上で両手を重ねてぬくもりを求めたが、どちらの手も氷のように冷たかった。 
 
 ここに座っているよりも奥のほうが温かいだろうと、京梧を揺り起こそうとした時。
 ふわりと柔らかく温かいものが龍斗の膝を包んだ。
 
「澳継……」
「お前馬っ鹿じゃねェの。そんなの早く起こして奥に行けよ」 

 昨晩、京梧から風祭が床に戻っていることは聞いていた。
 話によると、風祭はなにやら腹を立てている様子で戻ってきて、
 盛大に京梧の足を踏んづけたのだという。

「何笑ってんだよ!俺だって寒いんだからな、早く戻れよ!」  
「え?俺、顔に出てた?」
「出てたも何も、思いっきりふき出してんじゃねェか」
「あれ、本当だ。しまった……」
 
 一度笑い出すと止まらない性分の龍斗は、肩に京梧を乗せたまましばらくけらけらと笑い、
 風祭がひとつくしゃみをするまで笑い続けた。
 
「京梧。ほら、そろそろ支度しろよ」
「……信じられねェな、そいつ。こんな五月蝿くしててなんで起きないんだよ。
 もう死んでんじゃねェの」

 なにやら顔を赤くして風祭は京梧の足を蹴飛ばした。

「言われてるぞ、京梧」
「……ああ。この小猿……、しかも蹴りやがった」

 寝てると思われていた京梧だったが、実は風祭が来たあたりから目を覚ましていた。
 呼吸の変化があったので傍にいる龍斗は気がついていたが、そのまま寝かせていたのだ。

「げっ。起きてたのかよ」 
「当たり前だろうがっ!一体誰があんな騒ぎで寝てられるっていうんだよ」
 
 龍斗の肩から頭を起こして欠伸をする京梧に、風祭が続けた。

「どうでもいいから早くどけよ!お前がいるから俺がこんな寒いんだからな!」
「え?」 

 犬猿の仲とはこのことだと傍観していた龍斗だが、
 風祭が上掛けを着ていないことに気がついてはっとした。

 あまりに自然だったので、礼を言うのも忘れていた。
 自分が寒さを忘れたのはこの膝の上にかけられている、
 風祭の羽織のおかげなのだということに。
 
 布に移っていた肌の温もりと、風に乗り漂った風祭の香りとが合い混じって、
 胸が熱くなった。
 
 目の端をじんわりと赤く染め、膝の上の着物をまじまじ見つめるそんな龍斗に、
 風祭と京梧が同時に気がついた。
 
 ぎょっとする風祭を尻目に、京梧は龍斗にそっと耳打ちした。 

「ほらな。言ったとおりだろ?」
 
 それにますます目を潤ませる龍斗に、いよいよ不審がって分けを問いただす風祭に
 二人は答えなかった。
 もっとも龍斗は砕顔して風祭に抱きつく形では答えたのだけれども。
 
 
 雪山を一歩一歩登っていく龍斗と風祭。
 
 京梧は後ろから二人を見つめて思い出していた。昨晩の龍斗との会話を。
 
『俺って過保護かな……?』
『過保護? 誰に対してだよ』
『澳継、風祭に対してさ』
『あー。確かにちょっと構いすぎな気がしねぇでもねェけど……。でもそれで何で沈んでんだよ?』
『……今日、崑崙山での戦闘中でちょっと』
 
 こうして龍斗と風祭を見ているとまるでじゃれあう子犬同士のようでもある。
 やはり、出会ってまもないとは思えない。 

『京梧は、ほのかと風祭がピンチだったら、まずどちらに向かう?』
『決まってんじゃねェか、ほのかちゃんだよ』
『だよなあ……』
 
 龍斗がまた笑い出した。
 
 前を歩く数名が振り返り、龍斗と風祭を観とめて微笑んでいる。 
 
 風祭も厭そうにしてはいるが、龍斗の横から離れようとはしない。

『――いくら弟みたいだからって、ちゃんと戦況を見極められないようじゃ駄目だよな』
 
 この一言に、京梧は心を揺すぶられた。
 
 自分がほのかを女として心配して、そちらに傾くと考えたこと。
 そんな自分を戒められたような気がしたこと。
 そして、自分がより好いている方を優先すると答えたように考えながら、
 龍斗は風祭を選んだということ。
 
 なによりもほのかよりも風祭を思っているという龍斗に、京梧は愕然とした。
 
 同じ龍泉組として過ごしていた仲間よりも、敵方の、
 しかも一番印象の悪い風祭であったからなのか、
 それとも誰と比べるまでもなくその思いが特別に見えるからなのか。
 
 どちらにしろ愉快な気持ちではなかった。
 
(そこに俺を入れてみろと言ったら、ひーちゃんはどうするんだ。俺か? あいつか?)
 
 この一年近く、龍斗と誰よりも近い距離で接してきたのは自分だと言う自負があった。
 だが鬼道衆と縁を交ぜあわせてからの龍斗を見て、その自負は崩れた。
 
 龍斗は、自分が知らない顔で、鬼と微笑みあった。
 
 それが京梧には口惜しくて口惜しくてならなかった。
 だから鬼道衆と協力することを拒んで、その顔を見ないようにしてきたのだが……。
 
 あの発言は、鬼の方が好きだとはっきりと言われてしまったようなものだ。
 
 口に出されてしまえばもう京梧の思い込みではない。
 
 京梧はこの時初めて、鬼道衆に対するはっきりとした感情を知った。  
 
 そしてしばらく口籠もって京梧は告げたのだ。
 
『ひーちゃんが風祭とか皆をそうやって思うみたいに、皆もひーちゃんのことを思ってる。
 ひーちゃんができない分は誰かが庇えば良いんだ。
 ひーちゃんが悲しそうな顔してる方が皆はつらいぜ。
 ……だから、笑っとけよ』

 と。

 
 風が吹いて、冷えた脛が晒された。
 
 ふと今朝の温もりを思い出した。
 
 目を覚まして自分の上にかけられていた龍斗の羽織。
 そして龍斗にかけられていた風祭の羽織。
 
『ほらな。言ったとおりだろ?』
 
 思わず口をついた言葉だった。
 龍斗の膝に乗っている羽織が誰の物か考える前に、反射的にささやいていたのだ。

(うまいこと言ったぜ、ほんと。敵は少ないに限るもんな。)
 
 友にこれほどまでに独占欲を抱くことなど、京梧はに生まれて初めてのことだった。
 
 今まで放浪の身故、ここまで親しい友ができなかったのだから仕方がないとも言える。
 
 だが月日など関係ないと京梧は感じていた。
 龍斗とは出会ったその瞬間から何かの縁を感じていたのだから。
 
 そして今もひとつ感じることがある。
 
 この戦いは、間違いなくもうすぐ幕を閉じる。
 
 その時までに、龍斗の中で己の存在をもっと明確にしておかなくてはいけないと。

 
 前を行く風祭と龍斗の間を裂くように、京梧は身をすべらせた。
 
 やがて富士の雪山に京梧と龍斗のにぎやかな声がひろがった。
 


 了
   

 

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